選択的会社員

うつ、休職を経たアラサーOLが会社員生活の中で感じるひそやかな幸せ

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330円で得た幸せ

たまの祝日ということで、珍しく前日から計画をたてて過ごした。

午前中はカラオケに行った。近所のカラオケ店『まねきねこ』の『朝カラ』というものを利用し、2時間半プラスドリンク代で1人600円ほどだった。私は中学生のころにドはまりしたBUMP OF CHICKENを、パートナーはB'zを交互に歌う有様になった。何年かぶりにBUMPの曲を歌ったが、大人になるとより心に染み入る曲が多い。今日は特に『ギルド』という曲が染み入った。自分が選んだ人生、生き様、日常。どんなに汚れても、傷つけ傷つけられても、思った通りじゃなくても、生きていけるのは自分だけ。だからありのままを受け止めて、生きていさえすればいい。そうやって優しく背中を叩かれた気がした。

午後は何か運動をしようということで、近くの公園でバドミントンをした。100均で110円のラケットを2本、110円の羽(5個入り)を1つ買って公園に向かった。その公園には初めて行ったが、驚くほど広い緑が広がっていた。花見をしている家族もいれば、走り回っている家族もいた。つまり、ほとんどが子供連れのファミリーだった。その中で私とパートナーの2人はバドミントンを始めた。ネットはないので、とにかく羽を打ち返せばよいという、ルール無用のバドミントンだ。しばらくやっていなかったので、運動音痴の私は初めのうちまともにサーブをすることもできなかった。それも慣れるうちにまともになったが、風の影響を受けてあらぬ方向に飛んでいく羽を追いかけ回した。とにかく走り回ったし、たくさんラリーをした。きっと明日は筋肉痛だろう。

周りを気にせず奇声を発しながらラリーをしていると、小さい女の子が興味ありげにこちらに近づいてきた。私たちの前で立ち止まったので、まず私のラケットを渡した。すると女の子はパートナーの方のラケットも要求し、二刀流になった。そしてゆっくりとラケット同士をカツン、カツン、とぶつけ始めた。その様子がなんとも愛らしく、穏やかだった。お母さんは「ほら、もういいでしょ?早く離してありがとうって言いなさい!」と申し訳なさげだったが、全く構わなかった。最後には私の手を掴んで離さず、お母さんを更に困らせていた。きゅんとした。きっと、これが母性ってやつなんだ。

公園を出る際、女の子とお母さんに大きく手を振った。女の子はお母さんに抱きかかえられて、眠ってしまったようだった。お母さんが、深いお辞儀を返してくれた。どうかあの家族がこれからも穏やかに過ごせますように。