選択的会社員

うつ、休職を経たアラサーOLが会社員生活の中で感じるひそやかな幸せ

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頑張っている人はうつくしい

病院の帰り道、駅前で選挙の立候補者がビラを配っていた。恐らく私と同世代の、政治に参画するにしては若い女性だ。私の最寄り駅だけではなく、他のもう少し人がたくさん乗り降りする駅でも見たことがある。朝から夜まで、お願いします、お願いしますとビラを配っているのだと思うと、“同世代”“女性”という自分に近しい属性についてのバイアスもかかって、応援したい!という気持ちになった。

そんなことを考えていたら、彼女と目が合った。お願いします。すっと差し出されたビラを、半ば食い気味に受け取った。ありがとうございます!というはつらつとした声が、後ろから聞こえてきた。こちらこそ、元気を分けてくれてありがとう。少しそわそわした気持ちでビラを見ると、“共働き世帯”“子育て世帯”を支援する政策を掲げているようだった。やはり自分に近しい属性であったので、この方に投票しようかな、と思ってしまった。

いや、もう少し他の候補者のことも調べたほうがいいのでは…?などと、ふだん特別に思うこともない政治にそれなりの思索を巡らしながら、家に着いた。貰ったビラをテーブルの上に置こうとしたら、全く同じビラが既に置いてあった。パートナーが、「この人、頑張っているよね」と笑った。やっぱり、私たちは頑張っている人には勝てないらしかった。

なお、その後ビラをよく見たら、彼女は歳下だった。応援させていただきます。