選択的会社員

うつ、休職を経たアラサーOLが会社員生活の中で感じるひそやかな幸せ

MENU

なんでもない日を丁寧に

職場の人へのホワイトデーのお返しを買いに、パートナーと電車に乗ってお出かけをした。

ただの買い物と言えばそうなのだが、最近可愛いワンピースを買ったので、ワンピースにジャケットを羽織り、滅多に履かないパンプスを履いて、まるで付き合う前の頃のような身なりで出かけた。私がそんなすました格好だからか、パートナーもジャケットを引っ張り出してきた。なんだか、授業参観に行く夫婦みたいで可笑しかった。

お化粧も、普段より手をかけた。普段はしない涙袋メイクをし、アイラインを目尻に跳ね上げ気味に引いた。たったこれだけのことなのだけど、気分が上がった。気分が上がりすぎて、久しぶりにパートナーと腕を組んでしまった。普段は外でこういうことを全くしない私たちだけど、すました格好のおかげか、パートナーも楽しんでいてくれているようだった。さすがに恥ずかしくて、手は繋げなかった。

パートナーからは、ラ・メゾン白金のタブレットショコラを一枚買ってもらった。こんなのでいいのか、と聞かれたけど、充分だった。帰宅後、友人からいただいた『春かすみ』という名前のコーヒー豆を挽いて、一枚のチョコレートを丁寧に味わった。なんでもない日、なんでもないことに対して、丁寧に準備をして一緒のときを過ごす。それさえできれば、私たちはきっと大丈夫だと思った。