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毎日朝ごはんを食べなきゃ、違う夜ごはんを食べなきゃ

ここ数年で、食生活に対する考え方がいくつか変わった。具体的には、以下のような変化だ。

  1. 朝ごはんは毎日必ず食べなければならない
    →別に食べなくてもいい
  2. 夜ごはんは毎日違うものを食べなければならない
    →別に毎日同じでもいい

1.朝ごはんは毎日必ず食べなければならない

子どものころから、「朝ごはんは食べなきゃ駄目よ」と言われて育った。朝ごはんは必ず食べるものとされていたので、なぜ食べなきゃ駄目なのかを調べたこともなかった。

「朝ごはんを食べない」という選択肢があることを知ったのは、パートナーの食生活がきっかけだった。ここでは深く述べないが、パートナーからメリットとデメリットを聞いて、衝撃を受けた。デメリットばかりだと思っていたから、メリットがあるなんて思いもよらなかった。なんの疑問も持たずに、子どものころの価値観のままでいた自分の頭を、金槌でガン!と叩かれたようだった。

食生活は生きることと直結する、大切なものだ。だから、みんながみんな朝ごはんを抜けばいいなんて全く思わない。けれど、今の私には朝ごはんは必要ない。朝ごはんに費やしていた時間を、本を読んだり風景を眺めたりするリラックスの時間に使える。そして何より、お昼ごはんと夜ごはんがとてもおいしく感じる。この生活を始めてから、お水やお米が甘いことを知った。一食一食を丁寧に味わえるようになると、食を支えてくださっている見えない方への感謝が自然に沸き起こる。野菜やお肉、魚が当たり前に食べられるのは、農家や酪農家、漁師の方々をはじめ、流通にのせてくださっている方々がいるからだ。そんな方々がいるお陰で、私の体は作られていると思えるようになった。大げさに聞こえるかもしれないが、本当だ。

2.夜ごはんは毎日違うものを食べなければならない

子どものころ、食卓には毎日違う夜ごはんがあった。大人になった今、あれは偉大な母のとてつもない労力の上に成り立っていた、ということが身に染みて分かる。現在私は実家から離れ、パートナーと共に共働きの生活をしている(今は休職中だが)。二人ともフルタイムでの仕事だ。毎日違う夜ごはんを作るなんて、無理だった。

だから、我が家の平日の夜ごはんは、日曜日に作り置きする以下のメニューと決まっている。

  • 玄米入りご飯
  • 焼き魚(週替わり)
  • 具だくさんの豚汁または鶏汁(週替わり)
  • 納豆
  • 煮卵

友人にこの話をしたら、「毎日同じで、しかも質素。よく続けていられるね。」と呆れられた。それが、質素だから続けられるんだけどね、と思う。毎日ファストフードは3日も続かないと思うけれど、和食は不思議と苦にならない。魚やお味噌汁の具は、週替わりで旬のものを選んでいるからかもしれない。特にお味噌汁は、入れる具材によって表情を変えてくれるから楽しい。春は玉ねぎやキャベツを入れて、ほくほくとした柔らかい食感を。夏はミニトマトやみょうがを入れて、さっぱりとした涼やかな後味を。秋はさつまいもや里いもを入れて、ほっこりかつとろんとした甘みを。冬は蓮根やごぼうを入れて、体の内からじんわりと温まる感覚を楽しむ。頑張った体にこんな表情豊かなお味噌汁をゆっくりと流し込むとき、心からほっとする。そして、日本人でよかった、と思う。

私がとらわれていた、食に関するいくつかの「しなきゃ」。食べ物は自分の体を作ってくれる大切なものだから、「しなきゃ」よりも「こうしたい」で柔軟に選んでいきたい。だから、たまにはホテルでの朝食だって食べるし、休日は洋食や中華だって食べるのだ。