選択的会社員

うつ、休職を経たアラサーOLが会社員生活の中で感じるひそやかな幸せ

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休職明け6日目

自分の席という居場所

「リワーク」と呼ばれる休職期間を使ったリハビリも、今日で1週間になった。(こいつは休職明けなのか休職中なのか、どっちなんだ?と首をかしげる方が大半だと思う。厳密にはまだ休職中で、出社を始めたという意味でタイトルを「休職明け」としている。ややこしいね。)

今日から総務部ではなく、自分が所属する部門への出社となる。私は環境の変化に敏感で、慣れた環境が何よりも大好きな人間なので、総務部ではなく自分が元々いた部門の席に戻れることにほっとする。それでも、どこであっても自分の席が用意されていること、それ自体がとてもありがたかった。「自部門の席に居づらいときがあったら、いつでも総務部のこの席を使っていいから。」総務部のお姉さんはそう言ってくれた。居場所は1つではないと、言われた気がした。

ルンルンで自部門の席に向かうと、しっかりとした紺のコートと、キャンバスと革を合わせた頑丈そうなビジネスバッグが置いてあった。明らかに自分のものではない。「営業のAさんの荷物だよ。あなたがいない間、ほとんどずっとAさんがあなたの席を使っていたんだよ。」隣の席の尊敬する上司が、そう教えてくれた。「今日からは使えなくなるよって、言っておいたから。」上司は付け加えた。さすが我が尊敬する上司である。それに対し、「もう少し休んでた方がよかったですかね?」なんて休職ジョークで応答する。上司は反応に困っていた。ごめん。

弊社の営業は、フリーアドレスで働いている。決まった自分の席はなく、その時その時で空いている席を使う、というものだ。私のような人間には向かないだろう。居場所は会社全体です!あとはお好きにどうぞ!と言われても、お気に入りの場所をなくした猫か犬かのようにうろうろしている自分の姿が、ありありと目に浮かぶ。

本人に直接聞いたわけではないが、きっと営業のAさんもそんな人間ではなかろうか。こじんまりとしてるけど、自分だけが居れる場所。そんな居場所を求めて、私の席を使ってくれていたのではないか。会社の自席は、会社員にとって一番身近な居場所なのかもしれない。そんなことを思った。